BABYMETALが、ロンドンのウェンブリーアリーナで12,000人もの観客を魅了させたのは、実は日本人アーティスト初の快挙だった。
2020年にBABYMETALが紅白歌合戦に初出場してから、早くも二週間が過ぎました。
このブログを見ている人の中には、紅白歌合戦でBABYMETALの存在を初めて知った方もいると思います。
そして私のように、YouTubeでBABYMETALのパフォーマンスに魅了されてしまい、次の日寝不足になってしまった人も、きっといることでしょう(笑)
Contents
- 1 BABYMETALを語るうえでは欠かせない、イギリスウェンブリーアリーナでの公演
- 2 日本語と言う壁を突き破ったBABYMETAL
- 3 ウェンブリーアリーナでの公演は、実はとんでもない大快挙
- 4 日本人でウェンブリーアリーナ公演したのは、BABYMETALとXJAPANの二組のみ
- 5 2010年にBABYMETALは当時12歳と11歳でデビュー
- 6 2014年のソニスフィアでのライブは、今でも伝説として語り継がれている
- 7 同じく2014年には、レディー・ガガさんのアメリカツアーのサポートアクトを務める
- 8 2016年日本人初のウェンブリーアリーナ単独公演
- 9 神バンドでサポートしたメンバーも、全員が感動のコメントを残した
BABYMETALを語るうえでは欠かせない、イギリスウェンブリーアリーナでの公演
紅白歌合戦からBABYMETALの存在を知った方は、この出来事を知らないかもしれません。
今からおよそ5年前の2016年4月2日に、BABYMETALは日本の音楽シーンの中で、ある歴史的な快挙を達成しました。
それは、イギリスにあるウェンブリーアリーナ-(現在はSSEアリーナ・ウェンブリー)で、日本人初となる単独公演を成功させたことです。
BABYMETALは日本人アーティストなので、当然持ち歌は日本語です。
しかし、開催された場所は日本ではありません。
イギリスです。
日本から遠く離れた異国の地で、日本語が話せない観客が大勢を占める中で、BABYMETALは日本語の歌詞でライブを行い、約12,000人もの観客を動員しました。
日本語と言う壁を突き破ったBABYMETAL
日本で人気のあるアーティストでも、海外で公演をするには、やはり日本語と言う壁が存在します。
アジア圏のライブでは、大規模コンサートを成功させているアーティストは存在します。
しかし、それらのアーティストでも、ヨーロッパやアメリカと言った国々でコンサートを開催するとなると、日本で開催しているような規模の人数を集めるのは非常に困難です。
たとえ日本ではドームツアーを開催できるような動員数を持っているアーティストでも、ヨーロッパやアメリカでライブで同じ規模のツアーを開催できるのか?と言われれば、残念ながら不可能でしょう。
よく日本国内はガラパゴスとも言われています。
韓国のアーティストが最初から海外展開を狙っているのとは対照的に、日本人アーティストは日本国内の中でも、十分利益が出せるマーケットが存在するため、積極的に海外に出ようとするアーティストが少ないのが実情です。
そのため、このイギリスのウェンブリーアリーナでは、過去日本人アーティストが単独公演したことは過去に一度もありませんでした。
そんな中、BABYMETALは結成からわずか6年目で、日本人初のウェンブリーアリーナでの単独公演を実現させてしまったのです。
ウェンブリーアリーナでの公演は、実はとんでもない大快挙
これまで誰もが実現できなかったことを、当時まだ16歳~18歳の女の子3人組のBABYMETALが、イギリスのウェンブリーアリーナでの公演を実現させてしまいました。
一般の方は、このウェンブリーアリーナで公演したという凄さが、どれほどの意味があるのか?が、いまいちピンとこないと思います。
ウェンブリーアリーナでの公演については、過去に小室哲哉さんとXJAPANのYOSHIKIさんが対談したときに、小室哲哉さんがこのように語っています。
小室哲哉さん 今度ロンドンでやるんだよね。(YOSHIKIさんが所属する、XJAPANのウェンブリーアリーナ公演に対して)
YOSHIKI CHANNEL 2015カウントダウン〜2016新春 第1弾 YOSHIKI VS 小室哲哉 新春対談スペシャルより一部抜粋
YOHISKIさん ウェンブリーアリーナでね。はい
小室哲哉さん それも結構すごいんだよね。僕なんかからしたら。
小室哲哉さん オアシスもそこでやる時だけ、あのー、ノエルとリアムの、その兄弟が肩組む、肩組んだくらいのロックの聖地だから。そこで日本のグループができるっていうのは、僕なんかからしたら、もう奇跡だからねえ。本当に。
この二人の対談の中で小室哲哉さんは、日本人がウェンブリーアリーナで公演ができることに対して、奇跡と言う言葉を使っています。
小室哲哉さんは、1990年代に「小室サウンド」で一世を風靡し、「小室ファミリー」とも言われた、安室奈美恵さん、trf、globe、華原朋美さんといった数多くのアーティストをプロデュースし、多くのミリオンセラーを生み出してきました。
そんな小室哲哉さんのプロデュースしたCDの売上総枚数は、既に1億7000万枚を超えています。
1996年と1997年の二年間は、納めた所得税が10億円を超えており、高額納税者番付では二年連続全国で4位と言う記録を残しています。
当時の日本の音楽シーンの中で、間違いなくトップにいた小室哲哉さんが、ウェンブリーアリーナでの公演を奇跡と表現するほどです。
あの小室哲哉さんでさえ、奇跡と言う言葉で表現するくらいなので、BABYMETALがウェンブリーアリーナで公演した出来事は、凄まじい快挙だったということがわかります。
ちなみにこの二人の対談の中では、BABYMETALの話題も出てきており、小室哲哉さんとYOSHIKIさんの二人とも、その活躍の凄さを認めていました。
日本人でウェンブリーアリーナ公演したのは、BABYMETALとXJAPANの二組のみ
このイギリスのウェンブリーアリーナで、BABYMETAL以外に単独公演を行ったのは、あのXJAPANのみです。
つまり、ウェンブリーアリーナで単独公演を行った日本アーティストは、BABYMETALとXJAPANのたった二組しかいません。
この快挙は、いまでも日本の音楽シーンの中に歴史として刻まれています。
そんなウェンブリーアリーナで、日本人初の単独公演を実現したBABYMETALですが、そのデビューは2010年まで遡ります。
2010年にBABYMETALは当時12歳と11歳でデビュー
2010年の初公演のライブ映像はこちらです
YouTubeの中に、BABYMETALのデビュー当時の非常に貴重な映像が残っています。
BABYMETAL結成当時は3人体制で、当時さくら学園に所属していた、中元すず香さん(SU-METAL)、菊地最愛さん(MOAMETAL)、水野由結さん(YUIMETAL)の3人でBABYMETALは結成されました。
結成当時の彼女たちの年齢は、12歳と11歳です。
アイドルとヘヴィメタルとの融合をテーマに活動を開始し、このころはまだヘヴィメタルのサウンドを使ったアイドルと言う印象を受けます。
この当時はまだ神バンドも誕生しておらず、観客の様子を見ていても、日本のアイドルのコンサートだなと言う雰囲気があります。
この時最前列にいて、元気いっぱいに動いている白いシャツを着ている男性ファンは、ベビメタのファンから通称「白い悪魔」と言われています。
なぜこの男性が白い悪魔と呼ばれているかは不明です。
2014年のソニスフィアでのライブは、今でも伝説として語り継がれている
そしてBABYMETALがデビューしてから四年後。
今でも伝説として語り継がれている、通称「ソニスフィアの奇跡」とも呼ばれる動画はこちらです。
デビューしてから四年たち、BABYMETALのメンバーも成長して、彼女たちは16歳、15歳となっていました。
それでもまだ世間一般で言えば、高校1年生と中学3年生と同じ年齢です。
このライブで披露された曲は、2020年の紅白歌合戦でも披露された、BABYMETALの代表曲イジメ、ダメ、ゼッタイです。
このソニスフィアの奇跡の動画と、4年前のデビュー当時のライブ映像と比較してみましょう。
二つの動画を比較するとよくわかると思いますが、私は正直この4年間で彼女たちの成長した姿に衝撃を受けました。
身長が伸びたとか、大人っぽくなったとかそういう意味ではなく、本当にデビュー当時の彼女たちがこの場所に立っているのか?と、最初は信じられませんでした。
このソニスフィアのライブでは、神バンドの存在や観客に対するBABYMETALのパフォーマンス高さも、そしてそれを見ている観客の様子も、デビュー当時のライブとは何もかもが違うことがすぐにわかります。
まず日本人の観客がほとんどおらず、観客の99%以上は外国人です。
デビュー当時のライブような、アイドルコンサートと言う雰囲気は全くなく、観客のほとんどがヘヴィメタルを聞きに来ている外国人です。
日本語がわかる日本人がほとんどいないイギリスの野外イベントで、彼女たちは日本語の歌でパフォーマンスをしています。
こういった野外イベントでは、観客のボルテージも上がっていると、ブーイングを浴びペットボトルが投げつけられるようなシーンもあります。
ペットボトルが投げつけられるとは、こんな感じの動画です。
これはイギリスの野外コンサートのイベントに、USのポップデュオ、ダフニィ&セレステがレディングフェスティバルに出演したときの実際の映像です。
彼女たちのいるステージに、無数のペットボトルが投げ込まれています。
元々こうなってしまったことには理由がありますが、BABYMETALは2015年に同じレディングフェスティバルに参戦しています。
その時は、彼女たちとは違いペットボトルを投げつけられるようなことはありませんでした。
もしこれが日本のアイドルのコンサートの舞台で、アイドルのいるステージに向けて無数のペットボトルが投げ込まれるなんて言うシーンは、決してありえない光景でしょう。
彼女たちはこういった危険な可能性もある、海外の野外イベントの中で、彼女たちは日本語の歌でパフォーマンスを行っていたのです。
同じく2014年には、レディー・ガガさんのアメリカツアーのサポートアクトを務める
ソニスフィアの伝説が生まれた同じ年に、アメリカの超人気アーティストのレディー・ガガさんのアメリカツアーの前座(サポートアクト)に、BABYMETALが選ばれました。
この動画は、BABYMETALが前座でパフォーマンスを行っている最中に、レディーガガさんがその様子を見に来たシーンです。
観客を見るとわかりますが、BABYMETALがパフォーマンスをしている場所は、日本の公演ではなくレディー・ガガさんのアメリカのツアーの会場です。
そして彼女たちは、日本と同じように日本語の歌でパフォーマンスをしています。
そしてレディーガガさん自身のツイッターでは、「they are so killer」と、彼女たちは凄い!と絶賛したツイートを残しています。
killerはスラングの意味で、凄い!素晴らしい!と言った意味があります。
その時の様子を報じたニュースでは、レディー・ガガさんが前座の様子を何度も見に来るのは、非常に珍しいことだと紹介されていました。
このように海外の超一流アーティストからも、BABYMETALは評価されています。
これほどの実績を残しながら、この当時の彼女たちは、デビューしてからまだ4年目です。
2016年日本人初のウェンブリーアリーナ単独公演
そしてデビューから6年目の、2016年4月2日。
BABYMETALは、それまで日本人アーティストが、誰一人として実現することのできなかった、イギリスロンドンでのウェンブリーアリーナでの単独公演を成功させました。
この様子は、日本にある全国の5都市のZeppのライブハウスで生中継されました。
時差の関係で、日本の開催時間は朝の4時半と言う時刻でしたが、すべての会場を合わせると約1万2千人の観客が集まり、現地の人数と合わせ合計2万4千人もの観客が、この歴史的瞬間の場面を共有していました。
この公演が無事成功したことにより、BABYMETALは日本人アーティスト史上初となる、日本人アーティスト単独でのウェンブリーアリーナでのコンサートを成功させました。
実は元々BABYMETALは、二例目になる予定でした。
実はこの年の3月に、XJAPANが同じくこのウェンブリーアリーナでの公演を予定していたからです。
しかし、XJAPANメンバーの一人であるPATAさんが急遽入院となり、ウェンブリーアリーナでの公演が一年延期されてしまったことで、結果的にBABYMETALが先に公演することになったからです。
XJAPANも2017年に、無事にウェンブリーアリーナで単独公演を実現させています。
ウェンブリーアリーナでの公演は映像化されています。
YouTubeで一部公開されている動画を見ると、会場の雰囲気がドシドシと伝わってきます。
海外にもかかわらず、日本語の歌であれだけ盛り上がっているのは、BABYMETALの音楽が国境や言葉の壁を越えて伝わっているんだなと、一ファンながら嬉しく思いました。
神バンドでサポートしたメンバーも、全員が感動のコメントを残した
ウェンブリーのライブでは、神バンドのメンバーの大村孝佳さん、藤岡幹大さん、BOHさん、青山英樹さんが、それぞれ当時のツイッターで以下のようにツイートしています。
このウェンブリーアリーナでライブは、サポートした神バンドのメンバーにとっても、生涯に残る特別な出来事だったということが伝わります。
このウェンブリー公演を成功させたのは、BABYMETALのメンバーのSU-METALさん、YUIMETALさん、MOAMETALさんの、3人によるパフォーマンスが素晴らしいことはもちろんのことですが、影で支え続けた神バンドのメンバーや、それら全体を支えるサポートスタッフのみなさん。
そして、日本から応援していた大勢のファンの人たち。
全員の力が合わさったからこそ、BABYMETALはこのウェンブリーアリーナで、日本人アーティスト史上初となる単独公演を、無事に成功させることが出来たのだと思います。